からだのデザインを紐解く(膜組織①)
毎日を快適に過ごしていることって、ほんとに素晴らしいことです。
どんなふうにこのようなことが実現してるんでしょうか?
人のからだは誰が作ったのかはわかりませんが、実に巧妙に出来上がっています。そしてなぜかちょっとした脆弱さも併せ持っています。完全に解明されていない人体ですが、我々の日々の実践とご協力いただく多くの方々の英知によって、我々なりに共通項を解明できました。
快適に毎日の生活を送るように身体はどのようにデザイン(設計)されているのか、少し紐解いてみましょう。
本日は ヒトの機械的側面についてです。
人のからだは骨格が家の柱のように人体を支えています。家と違うのは人のからだは骨同志が継ぎ合わされて関節というのを作っているところです。
ですので下の図のように骨の継ぎ目の形状に従って、各骨は一定の決まりに従って動こうとします。
しかし、骨だけでなバラバラになってしまうので、それをつなぎとめるものが必要です。それが「膜組織」です。これはからだのあらゆる臓器をつなぎとめているので第二の骨格と呼ばれたりします。
ですので実際は下の図のように、すべすべした膜で全ての骨は連続的に包まれています。
最近話題の筋膜も膜組織です。筋膜は筋肉を包む膜組織です。
しかし筋肉だけでなく、骨やあらゆる臓器がスベスベとした膜組織に包まれていて身体を一つにまとめ上げています。ちなみに 膜組織の解剖学的正式名称は「固有結合組織」といいます。
膜組織のどこかが硬くなったりよじれたりすると、からだは歪み、各臓器は正常な営みをしにくくなります。
膜組織は糖質を含んだ水分で満たされています。私たちは「流体力学」「熱力学」を背景にした独特な手法を用いて、眠ってしまうほど快適な刺激で、膜組織を解きほどくことができます。
(身体デザイナー 山岸茂則)