肩の痛み・・足と手と腸間膜根
本日初めて拝見した70代女性のお話です。
半年以上、右肩の痛みに苦しんでおられました。
「右手を上にあげると肩が痛い」「社交ダンスでペアと組む態勢が痛い」「エプロンを結ぶ動作が大変」「夜寝ていると痛い」ということでした。
例によって、お話を詳しくお伺いします。
・28歳の時に盲腸の手術をされています。
・両足ともに捻挫を何回かされています(痛みはないですが、左足首の外側には腫れがありました)。
・「左足で踏ん張って右手で引っ張るような作業を繰り返してからいけないような気がする」とのことでした。
お身体を詳しく拝見します。
・右肩の下をとおる正中神経・橈骨神経が緊張しています。
肩の下をとおる神経が緊張すると肩を動かすときに痛みが出やすいです。
夜寝ているときに肩の痛みも出やすくなります。
ですので肩の下をとおる神経の緊張の原因を探ります。
するとお話を伺った内容ととてもリンクしていました。
まず
①左足に体重をかけると右肩の動きが悪くなる!(右足の方はそうでもありません)
腫れもある左足で踏ん張ると肩が動かなくなります。左足で踏ん張って行った作業の影響が出ているようです。
これは腹圧と関係しています。
(詳しくは 「腹圧先生」の投稿を色々とご覧になってください。興味深い投稿ばかりですよ。)
ですので我々がお勧めする足底板のトライアルの上に試しにのっていただくと、かなり楽に肩が動いてきます。
効果を実感いただけたので、本日オーダーメイドの足底板をオーダーいただきました。
②腸間膜根(下図)が硬くなっている。⇒それを上にあげると右肩の動きが良くなる。
背骨から出た神経は内臓を覆う膜組織にも沢山回り込みます。
そしてこの神経は肩の下をとおる神経にもつながっています。
盲腸の手術の影響で硬くなった腸間膜が神経を引っ張りこんでいたことが大きかったようです。
施術で腸間膜を柔らかくしていくと「ぎゅるぎゅる」と何回も腸が鳴っていました。
腸間膜は腸を包む膜組織なので、これが硬くなって腸も窮屈だったんですね。
③右手首で正中神経を押さえている。
手首には手根管(下図)で押さえられて緊張していた正中神経は肩の下を通るので、肩の痛みにも影響を与えます。
手首の靭帯を、熱力学と流体力学を用いた我々独自の心地よい刺激によって柔らかくしていくと、正中神経の緊張はなくなりました。
最後に、右肩の筋肉同士の滑りを改善していき、肩を動かしたときの痛みはなくなしました(^^)
まだ動く範囲は、反対側の80%程度ですので、足底板の効果を期待したいと思います。
痛み・痺れ・神経系の解放・筋膜へのアプローチ などは「うつ伏せユラユラ」をまず行っていただくことをお勧めいたします。
痛みに関しては改善確率は60%ほどですので、まず行ってみていただく価値があります。
痛みなどで行えない場合は別の方法もございますので、詳しくは書籍「痛みはうつぶせで治しなさい」をご一読ください。
行っていただき改善が得られない場合は、私たちのお手伝いが必要かもしれません。
BiNIリハビリセンターにお気軽にお問い合わせください。(身体デザイナー 山岸茂則)