虫って脳がある?大脳新皮質がなくても動けます。

みなさま,おつかれさまです,舟波真一です。

コラムで統合的運動生成概念,本日は「脳と運動の関係」について考えていきます。

統合的運動生成概念を構築していくなかで,思考を一変させる言葉に出会いました。

「脳がない動物はたくさんいるが,身体のない脳はいない」という池谷裕二教授(東京大学)の一文です。

神経科学を中心に運動というものを考えると,昨今の脳ブームも手伝って,脳が身体を制御していると考えてしまいます。

実際,わたしも運動を解明したくて,それには脳科学を勉強しなければ!という思いで,元京都大学霊長類研究所所長の久保田競先生の門を叩いたわけですから。

久保田先生は霊長研ご退官後,日本福祉大学大学院に移られましたので,わたしはその久保田教室に入学しました。

久保田先生といえば,日本の神経科学の第一人者。

そちらで脳の研究をして,脳を解明しよう!脳が解明出来れば,運動が解明出来るはず!と思い込んでいました。

脳が指令して,身体が動く!と思い込んでいました。

それから2年後くらいに先程の池谷教授の言葉に出会ったわけです。

脳がない動物がたくさんいるって・・・・・・!!!

棒で頭をひっぱたかれるくらい衝撃でした。

考えたこともなかったので・・・・

たしかに,脳が運動の中枢であるとするならば,動く物すべてに脳が存在しなければなりません。

しかし,現実にはこの世界で脳がなくても動いている生物はたくさん存在しますよね?

ワニさんやヘビさんも大脳はありませんね。脳幹はありますけど。

ワニさんやヘビさんに忖度はありません(笑)行動がリニア。

カブトムシって脳あるんですか?

ゴキブリさんも脳はないですよね?火星に行くと脳が出来るようですが(笑)

移動しなくても,虫を食べちゃう植物だってありますよね?動いてますね。

ナメクジウオという魚は,神経索は有するが脳としての分化は認めません。

脳はないものの,魚のように運動して移動します。

みんな,脳はないけど,運動しています。

運動に,脳は必須条件ではない事実がそこにあるのです!

運動に対する認知バイアス,脳がなければ運動できない。

そんなことはないのです!

CHECK⇒ 池谷裕二:単純な脳、複雑な「私」.朝日出版社,2009.

では,脳がない動物は,どのようにして動いているのでしょうか?

この疑問が,我々を統合的運動生成概念構築に向かわせてくれました。

運動が起きるには?

なぜ動けるのか?

運動の成り立ちとは何か?

 

BiNI COMPLEX JAPAN 舟波真一でした。

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