【脊柱管狭窄症・克服のすゝめ】③脊柱管狭窄以外の原因と我々の対応(静脈叢と脂肪層)

このシリーズコラムでは、脊柱管狭窄症の症状改善に我々がどのようにお力になっているかをご紹介させていただきます。

第三回目は「脊柱管狭窄以外の原因と我々の対応(静脈叢と脂肪層)」に関してです。

早速、下の図の青い部分は脊柱管の中にある静脈(静脈叢)です。

脊柱管の中にある神経(脊髄)はこの静脈叢に取り囲まれています。

 

そしてこの静脈叢は脂肪に埋もれています。

上の図のHマーク付きの楕円形をしたのが脊柱管の中の神経(脊髄)です。

その周りに青い細かなマル(〇)が沢山みえますが、これが静脈叢です。

そしてその静脈叢は黄色く描かれた脂肪層に埋もれています。

今回のテーマはこの静脈叢とそれを包み込むようにある脂肪層についてです。

 

まずこの静脈叢の中には血液(静脈血)が流れています。

この流れは背骨の上から下の方に向かってます。

ですので、この流れが詰まりますと、それよりも上の方に血が沢山たまってむくんでしまいます。

脚の静脈の流れが悪くなると足やふくらはぎがむくんでしまうのと一緒です。

静脈叢の流れが詰まってしまうと、流れなくなった血液はそれよりも上の静脈叢部分で滞ります。

滞った部分は膨れ上がり、血管から水分がもれだしむくんで脊髄を圧迫してしまう可能性があります。

そうしますと、滞ったところよりも上のレベルの神経症状がでてしまうはずです。

 

この静脈叢の流れの詰まりは、脊柱管狭窄症の方でも起きているように思われます。

恐らくは静脈叢を包む脂肪層が硬くなって、静脈を潰してしまうためでしょう。

「静脈叢を包む脂肪層が硬くなる⇒静脈叢の流れが滞る⇒滞りよりも上が腫れあがり脊髄を圧迫する⇒痛みや痺れ」

ということが生じうると考えています。

 

BiNIアプローチを実践するセラピストは脊髄の運動性評価によって脂肪層が硬い(と考えられる)部分を探索します。

脂肪は固有結合組織というものに分類されますので、BiNIアプローチによって柔らかくすることが可能です。

「静脈叢を包む脂肪層が柔らかくなる⇒静脈叢の流れが良くなる⇒脊髄を圧迫がなくなる⇒痛みや痺れがなくなる」

というような回復です。

 

実際に私たちがアプローチしているものが本当に脂肪層であるかどうかは、現段階では確実な検証のしようがありません。

しかし、脊髄の運動性評価によって脂肪層が硬い(と考えられる)部分を柔らかくして、脊髄の運動性が改善しますと症状が改善するという経験は大変多くいたします。

 

 

コラムのシリーズにはご自身で行っていただける方法も、いくつかご紹介いたします。

 

(文責 山岸茂則)