脳梗塞と膝の痛み、「力を入れて頑張るリハビリ」の問題点
脳梗塞や脳出血を発症し、「力を入れて頑張るリハビリ」を続けていますと・・
・・良く動く方に沢山力が入って、身体が大きく歪みだします。
最初は良くても時間がたつほどにこの歪みが助長されます。
数か月、あるいは数年たって、「膝が痛い」ということがおこることがあります。
今回は、麻痺した側に出ることがある「反張膝」についてのお話です。
図の右側が「反張膝」です。
本来は膝は極端に後ろに反ることはないのです。
しかし脳梗塞の後のリハビリを間違えると、膝の後ろの組織が伸びてたるんで後ろにそってきてしまうことがあります。
どのようなリハビリが問題か?
上体を前かがみにさせて頑張るという必要が生じるリハビリです。
まず上図のように前かがみになりますと床からの力が膝のかなり前をとおることになります。
この力が膝を後ろに押し出してしまいます。
また、脳梗塞後に頑張ると、ふくらはぎの筋肉は緊張して硬くなりがちです。
専門的にはこれを痙縮といいます。
ふくらはぎの筋肉(上図の赤い筋肉:下腿三頭筋)が緊張すると、膝を後ろに引っ張ってしまいます。
このように、①前かがみ で ②頑張って 立ったり歩いたりすることで「反張膝」が出来上がってきてしまいます。
このようにすると、膝を伸ばす筋肉を使わなくても立っていられるので、頑張って立とうとすると、どうしてもこのようなやり方になりがちです。
そして、麻痺した側の膝の痛みが出てしまうことがあります。
これを解消するには、
①上体を起こすこと
②膝を伸ばす筋肉が働くようにすること
です。
私たちはCOPオシレーションという技術を使ってこれを実現してお力になります。
こちらがCOPオシレーション。
セラピストは上体を起こした状態を維持します。
麻痺した膝は曲がらないように密着しています。
あなた は一切力を入れる必要はありません。
そして、これを行うと麻痺した側の膝を伸ばす筋肉も勝手に働いてきます。
これが膝を伸ばす筋肉の筋電図。
上下に揺れているということは収縮していることを意味します。
このようにして反張膝によって生まれた膝の痛みの改善をお手伝いいたします。
脳梗塞後のリハビリについては、BiNIリハビリセンターにお気軽にお問い合わせください。(身体デザイナー 山岸茂則)