【脊柱管狭窄症・克服のすゝめ】⑪脊柱管狭窄以外の原因と我々の対応(リズム障害)
このシリーズコラムでは、脊柱管狭窄症の症状改善に我々がどのようにお力になっているかをご紹介させていただきます。
第11回目は「脊柱管狭窄以外の原因と我々の対応(リズム障害)」に関してです。
さて唐突ですが、生命はリズムに満ち溢れています。
心電図や脳波も生命がリズムを刻んでいることを示しています。
呼吸も吸ったりはいたりリズムを刻んでいます。
ただ立っているだけ、寝ているだけ でも姿勢は揺らいでいます。
以下は立っている時の揺らぎを示したものです。
歩いているときもリズムがあります。
正常ですと、一秒間に約2歩のペースでテンポよく歩いています。
しかし、痛みがありますとこのようにテンポよくリズム感をもって動くことができなくなります。
逆に動かなくなることで、痛みがでることもあります。
私は丸一日寝転がって過ごしてみたことがありますが、見事に腰が痛くなりました(笑)
リズムよく動くことと、痛みはとても良く関係しています。
歩くことを例に3つの視点から解説させていただきます。
まず、下の図で「歩いているとき」には頭も身体も上下左右にリズミカルに動いていることを確認してください。
①上下動が椎間板の栄養
椎間板の内側部分は栄養血管がないので、組織液の対流によって栄養されます。
簡単に言いますと、身体が上下に左右に揺れることで椎間板がポンピングされまして組織液が循環します。
ですので動物実験でも「不動にすると椎間板の変性が進行する」ことがわかっています。
人は動物です。まさしく「動く物」ですから、固まって動かないのは良くありません。
椎間板の変性を起こさないためにもリズムよく動くことは大切です。
②セロトニン
リズム運動は脳のセロトニン分泌を良くします。
このセロトニン、とても大切なことをしております。
気持ちを安定させたり、痛みを感じづらくさせたり してます。
脊柱管狭窄症の方も痛みが感じやすくなったり、不安を感じたりされています。
③三半規管による体性感覚野の抑制
頭が揺れると三半規管※が反応します。
(※正確には 頭の直線加速度に反応する耳石器 と 回転加速度に反応する3つの半規管)
三半規管がリズムよく刺激されると脳が最終的に痛みを感じる部分(体性感覚野)が抑制されることがわかっています。
ですので、腰かけて前後左右にリズミカルに上体を揺らした後に痛みが和らいでいることは多いです。
いかがでしたでしょうか?
できる範囲から「リズムよく散歩する」ということをご提案して、実行していただいただけで痛みがなくなった。ということは良くあることです。
生命はリズムに満ち溢れています。
痛みでリズムよく動けなくなった体に、再びリズムを入力してあげましょう。
(文責 山岸茂則)