腹筋よりも,腹圧が大事です。
こんにちは!
腹圧先生こと,舟波真一(ふなみしんいち)です。
バイニーリハビリセンター東京銀座です,いつもありがとうございます。
さて,腹筋やからだの筋肉がほとんどなくても,子供たちが元気に動き回れるのは,
腹圧があるからです!
腹圧大事です!という話しの続きからです。
まずは腹圧の構造をお伝えしなければなりませんね。
解剖学のお話しです。
次の写真をご覧ください!
これはおなかを水平に切った断面図です,医療関係者でなければ見たことはないと思います。
図の上側,固有背筋と書いてある方が背中側,
図の下側,腹直筋と書いてある方がおなか側です。
腹直筋は,いわゆる割れてる割れてるといわれる腹筋ですね。
左右に3層構造になっている筋肉があると思います。
それが外側から,外腹斜筋,内腹斜筋,そして一番内側が赤線で囲ってある,腹横筋といいます。
腹筋はじつは3層構造に重なっているのです。
そして,一番内側の腹横筋が,いわゆるインナーマッスルといわれるやつです。
実はその腹横筋の内側に横筋筋膜という腹膜があります。
筋膜と言えば,最近,テレビでよく見かける筋膜リリースで有名な,あれです。
人間のすべての筋肉は,この膜組織(正式には結合組織)に包まれているのです。
筋肉を包んでいるから筋膜,と言います。この膜組織はテレビで有名な筋膜だけではなく,
人間のすべての器官,骨とか心臓とか内臓とか脳とか,すべてを包んでいるんです。
だから,骨を包むと骨膜,という名前になるんですよ。
ま,この膜組織については後々のコラムで説明するようにします。
今は腹圧についての解剖ですので,話しを元に戻しますね。
3層構造の腹筋のいちばん内側のインナーマッスルである腹横筋,
その内側に横筋筋膜というのがあります。
この筋膜は腹横筋の筋膜とつながっていて,それが背中側に移ると,
胸腰筋膜という名前に変わってしまうのです!つながっているのに!
同じ膜組織なのに,ちょっとめんどくさいですね(笑)
とにかくこの腹膜,膜組織によっておなかの内側は風船のような空間になってます。
もう一度,図をよく見てください。
そして,このおなかの内側,膜組織で囲まれた風船のような空間の圧力のことを
腹圧というのです!正式名称は「腹腔内圧」です。
膜組織の連結なのです。インナーマッスルの腹横筋は筋膜のつながりで重要ですけどね。
これは水平の断面図です。
では,からだの真正面と,横からの図を見てみましょう!
ジャン!
これです。腹横筋の筋膜つながりである横筋筋膜から
上は横隔膜につながるのです!ビックリですよね!
横隔膜は呼吸を調節しています。横隔膜が動かなければ呼吸できません。
ということは…腹圧は呼吸ととても関係があります!ま,これは後日話します。
今日は,とにかく腹圧の解剖ということで。続きです。
そして,下は骨盤底筋群の筋膜につながっていきます。
骨盤底筋群も腹圧にとって非常に重要なわけです。
ハイ,からだの上下左右の解剖学を話してきました。はい。
これが!
そう,この,おなかの中心の膜組織でつながった風船みたいな空間を!
腹圧というのです!!!
横から見るとわかりやすいですが,
腹圧は体の中から体を支えます。
脊柱や骨盤を支えているのです!
解剖学,ご理解いただけましたでしょうか?
それでは,今回はここまで!
また次回にお会いしましょう!
腹圧先生こと,舟波真一でした。